慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者や家族のQOLについて研究し、支援を目指しています。

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私の研究について

研究の目的は、北海道におけるHOT(Home Oxygen Therapy:在宅酸素療法)利用者の患者会が主体となった自助行動としての災害時避難システムの構築である。平成26年度には、まず、北海道内にある16ヶ所の在宅酸素業者の災害に対する認識と取り組みについて事業所責任者へのアンケート調査を実施した。また、これまでの災害におけるHOT患者の避難状況を明らかにするために、東日本大震災時における避難状況について、岩手、仙台、福島の患者にインタビュー調査を実施した。

これら2つの調査の結果、過去の災害時の状況としては、岩手と仙台に比べて、福島は原発の問題から避難状況が異なっていたことが明らかとなった。岩手と仙台では、一時的に避難所に行っても、すぐに自宅に戻るか知人宅に移っており、酸素をつけて避難所に滞在できる状況ではなかった。そして、酸素量は普段よりも減らし、極力安静にするという工夫をしていた。

しかし、福島の原発付近在住の患者は、自宅から次々と強制的に避難場所を移動させられていた。移動先でも重傷者を優先する事から酸素が与えられず、死を意識するなど過酷な避難体験をしていた。なお、調査した患者の中でかかりつけの病院に行った者はおらず、HOT患者にとって災害時に必要なのは医療機関というより酸素業者との繋がりであると思われた。

道内の酸素業者の調査では、どの酸素業者も災害を意識しているものの、実際に災害をシミュレーションするまでの取り組みは行なわれていなかった。また、1人の担当者が受け持つ患者が100人以上の事業所もあり、実際の大災害時には対応困難の可能性も示唆された。しかし多くの業者が患者会の取り組みには協力したいという意思があり、今後、何らかの形で連携していく可能性はあると考える。

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